FP三宅金蔵のお金の学校

お金にジャマされない人生を

【空き家問題】MOTTAINAI(もったいない)!

 こんにちは。FPの金蔵(きんぞう)です。

  毎日ユーチューブで、PBSニュースアワーというアメリカの公共放送を見ています。

 先日、世界的な食糧危機と同時に起こっている大量の食品ロスのニュースが流れていました。

 全世界で20億人以上、世界の人口のおよそ三分の一が食料不足に悩まさせる一方、その人たちに一日一食以上を提供できるだけの大量の食品が世界で廃棄されているとのこと。

 その特集の後半で、日本の食品ロス削減の取り組みが紹介され、日本にはMOTTAINAI(もったいない)という、モノや食べ物を大事にする、素晴らしい言葉があると紹介されていました。 

 私も個人的に、「もったいない」という言葉が大好きで、先日のブログ記事*で取り上げたメルカリでの不用品処分も、お金以上にまだ使えるモノを捨てることに大きな抵抗感があるためやっています。

 ちなみに、お金に関して「もったいない」と強く感じているのは、亡き父から相続した空き家にかかる費用です。

 今月に入って初めて私宛に、空き家のある自治体から固定資産税の納税通知書が送られてきました。

 というのも、昨年亡くなった父親から私名義に相続登記を行ったからです。

 金額は、空き家の近辺にある田んぼや畑、山林の分を含めて、年間10万円ほどになります。

 現在、空き家には誰も住んでおらず、物置としても活用していないため、全く無駄な費用となります。

 唯一のメリットとしては、仏壇の置き場所ぐらいでしょうか。

 更に、空き家を維持するために、水道光熱費も毎月発生しています。

 電気は一旦休止手続きを取って、費用の発生を抑えていたのですが、今年に入って空き家で法事を行うため再開手続きを行ったところ、一度再開すると、再度の休止はできないとのこと。

 毎月数千円の基本料のみの支払いとなりますが、今後空き家を保有する限り、継続的に発生します。

 水道は空き家の片付けに行った際に、トイレを使うので電気と違って使用休止にすることができません。

 また、田んぼを保有していると、その地区の水利組合から、毎年1万5千円程度の水利費の請求がきます。

 毎年3月には、田植え前に、田んぼの水路の清掃作業があり、それに参加しない場合、ペナルティとして3千円程度のお金を支払う必要もあります。

 以上、細々として金額ですが、全く何も使っていない空き家にお金を支払っていくことは、本当に「もったいない」と感じています。

 これらムダをなくすには、最終的に空き家を解体して更地にするしかないので、帰省する度に少しつづ自分で空き家の片づけを進めています。

 使える家具や家電はリサイクルショップで売却、売れない古い木製家具は自治体の可燃ゴミセンターへ、家庭用ゴミとして無料で持ち込んでいます。

 空き家の残置物の処理費用は、1立法メートルあたり1万円程度が相場らしいので、とにかくどんどんモノを減らしていくのが解体作業の削減につながります。

 家の中のモノはおおよそ処理できたので、次は網戸や畳など家屋の附属物も、自分で取り外せるものはどんどん処分していこうと思います。

 日本の夏はどんどん暑くなっているので、夏前が勝負ですね。

 これからも、空き家処分への進捗を随時このブログで取り上げていきますので、応援よろしくお願いします!

 

 

*(参考記事)

24年4月4日 『モノの価値のはかり方』

https://fpjinwanofisu.webnode.jp/l/%e3%83%a2%e3%83%8e%e3%81%ae%e4%be%a1%e5%80%a4%e3%81%ae%e3%81%af%e3%81%8b%e3%82%8a%e6%96%b9/

*(参考リンク)PBSニュースアワー

PBS NewsHour | Why food waste is a global problem and what can be done | Season 2024 | PBS

https://www.pbs.org/video/global-food-waste-1712434043/

【相続】リニアと空き家問題

 こんにちわ。FPの金蔵(きんぞう)です。

 長年停滞していたリニア問題が、今回の静岡県知事の辞任騒動をきっかけに大きく前進しそうです。

 つい先日、JR東海から2027年の開業断念という発表があったばかりだったので、リニア建設に反対していた知事の辞任発表は大きなサプライズになりました。

 私がなぜリニア開業に高い関心を持っているかというと、今までこのブログで何度も取り上げてきた、亡くなった父から相続した空き家がなんとリニアの新駅予定地の近くにあるからです。

 前回2/29のブログで、修繕費が発生する賃貸をあきらめ、当面現状のまま保有するとお伝えしましたが、その判断の裏には実はリニアの存在があったのです。

 つまり、もしリニアが早期開業するなら、その時期に合わせて高値で売却できるのではと考えていました。

 だからこそ、2027年開業断念のニュースを見てがっかりしていた訳ですが、今回の知事辞任でまた希望が持てる様になった次第です。

 もちろん、リニア開業までには、まだまだ山あり谷ありですが、リニア開業は、単に私の空き家の処理だけにとどまらず、年々深刻化する全国の空き家問題の解決にも役立つと思っています。

 なぜなら、リニアで都市部と地方の移動時間が大幅に短縮できれば、私の様に都市部に住んで地方の空き家を維持管理する人の負担が確実に減るからです。

 私の場合、現在、実家近くの空き家までの移動時間は電車と車で約3時間ほどですが、もしリニアが開業した場合、三分の一の1時間程度に短縮される予定です。

 今は泊まりで帰省していますが、リニアができれば日帰りも十分可能です。

 都市部で働きながら、貴重な週末に時間とお金を使って、遠方の空き家の管理を行っている人はかなりいるでしょうから、もしリニアができて、その方々の移動時間が減れば、かなり助かるはずです。

 

 以下、国土交通省の資料にもあるように、リニア開業で都市部からの一日交通圏が大幅に拡大します。

 

 また、リニアができることで、地方への移住者が大幅に増えることが期待できます。

 東京や大阪、名古屋など、大都市へ数時間以内で移動できるのであれば、物価が安く、自然豊かな地方に住もうと考える人は多く、地方の空き家へのニーズも高まります。

 現在、経済的価値のなさから放置されている地方の空き家の価値も大きく見直されるはずです。

 例えば、以下、『田舎暮らしの本』の調査によると、移住したい都道府県ランキングで、ここ数年長野県が断トツのトップになっています。

 リニアの新駅は長野県飯田市にできるそうですので、その周辺では間違いなく空き家へのニーズは高まるでしょう。 

 残念ながら、私の実家は長野県ではありませんが、名古屋以西にある、私の空き家がある県でも間違いなくリニアの恩恵があると思います。

 まだまだ先の見通せないリニアですが、全国の空き家問題の解決のためにも、一刻も早い開業を期待しています。

*(参考記事)

24年2月3日 『空き家売却、求ム!正直不動産』

https://fpjinwanofisu.webnode.jp/l/%e7%a9%ba%e3%81%8d%e5%ae%b6%e5%a3%b2%e5%8d%b4%e3%80%81%e6%b1%82%e3%83%a0%ef%bc%81%e6%ad%a3%e7%9b%b4%e4%b8%8d%e5%8b%95%e7%94%a3/

24年2月18日 『【空き家問題】先送りされるワケ』

https://fpjinwanofisu.webnode.jp/l/%e3%80%90%e7%a9%ba%e3%81%8d%e5%ae%b6%e5%95%8f%e9%a1%8c%e3%80%91/

24年2月24年 『【空き家問題】貸すのか、売るのか、それが問題』

https://fpjinwanofisu.webnode.jp/l/%e3%80%90%e7%a9%ba%e3%81%8d%e5%ae%b6%e5%95%8f%e9%a1%8c%e3%80%91%e8%b2%b8%e3%81%99%e3%81%ae%e3%81%8b%e3%80%81%e5%a3%b2%e3%82%8b%e3%81%ae%e3%81%8b%e3%80%81%e3%81%9d%e3%82%8c%e3%81%8c%e5%95%8f%e9%a1%8c/

24年2月29日 『【空き家問題】逃げるは恥だが役に立つ?』

https://fpjinwanofisu.webnode.jp/l/%e3%80%90%e7%a9%ba%e3%81%8d%e5%ae%b6%e5%95%8f%e9%a1%8c%e3%80%91%e9%80%83%e3%81%92%e3%82%8b%e3%81%af%e6%81%a5%e3%81%a0%e3%81%8b%e3%80%81%e5%bd%b9%e3%81%ab%e7%ab%8b%e3%81%a4

モノの価値のはかり方

 こんにちわ。FPの金蔵(きんぞう)です。

 先日のブログ*で、近年日本円の価値が大幅に下落しているため、日本円でモノやサービスの価値を計ったり、投資の尺度にするのが難しくなってきているとコメントしました。

 そんな中で、メルカリのようなフリマサイトは、モノの価値を正確に計れる数少ないツールではないかと最近感じています。

 というのも、コロナで在宅勤務が始まった2020年以降、スキマ時間を使って、100点以上の自宅の不用品をメルカリで売ってきたからです。

 その経験から言わせてもらうと、メルカリでは、モノに本当の<適正価格>をつけないと売れないことがよく分かりました。

 1円でも高く売りたいのが出品者の本音ですから、最初は高めの価格設定がされることはあたりまえですが、メルカリでは<割高>なモノはほぼ売れません。

 それは、個人や業者を含め、そのモノの価値をよく分かった、たくさんの目利きが日々サイトをチェックして、<割高>なモノには絶対手を出さないからです。

 そして、その結果、メルカリでの落札価格=<適正価格>になっているのです。

 例えば、最近出品した抱き枕は、ほぼ新品の状態だったので、新品価格2万円とメルカリでの落札価格を参考にして13,000円からスタートしました。

 商品の状態が良かったので、<いいね!>はいくつか押してもらえるのですが、最初の値段設定では数週間たっても落札には至りません。 

 次に12,000円まで下げてみるのですが、まだ何の反応もありません。

 メルカリの新機能で、<いいね!>を押した人だけに対して、期間限定の値下げセールをできるので、週末24時間限定で11,000円まで下げてみましたが、まだ売れません。

 最後に10,500円まで値下げしたところで、ようやくお買い上げいただきました。

 過去の出品でもそうでしたが、今回の抱き枕のように、割高なものは<適正価格>まで値下げしないと落札されないので、そのモノの本当の価値が分かるということですね。

 おかげさまで、最近では新品をアマゾンで購入する前に、必ずメルカリでその<適正価格>をチェックするのが習慣になりました。

 新品価格に比べて、大幅に安い値段で出品、落札されていたら、メルカリで中古を購入したり、そもそも購入自体をやめるようにしています。

 特に書籍などは、話題になった本ほど、中古市場で出回りやすく、しばらくすると新品価格より大幅に安い値段で売られているので、新品では買わなくなりました。

 メルカリで不用品を処分してお金を手に入れた以上に、余計なモノは買わない、中古市場ですぐに価値の落ちるものは買わないようになったことの方がプラスかもしれません。

 ちなみに、家具や雑貨など、生活に必要な動産はいくら売っても一切税金はかかりません。

 但し、一個または一組の値段が30万円を超えるような貴金属や宝石、骨董品などは課税対象になりますので、ご注意ください。

 

*(参考記事)

24年3月27日 『日本円では価値をはかれない?』

https://fpjinwanofisu.webnode.jp/l/%e5%86%86%e3%81%a7%e3%81%af%e4%be%a1%e5%80%a4%e3%81%af%e3%81%af%e3%81%8b%e3%82%8c%e3%81%aa%e3%81%84%ef%bc%9f

24年3月29日 『日本円で投資判断するリスク』

https://fpjinwanofisu.webnode.jp/l/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%86%86%E3%81%A7%E6%8A%95%E8%B3%87%E5%88%A4%E6%96%AD%E3%81%99%E3%82%8B%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AF

ねんきん定期便を見て思うこと

 こんにちわ。FPの金蔵(きんぞう)です。

 年に一度のねんきん定期便(電子版)が手元に届きました。

 本日はねんきん定期便を見て、個人的に思うことをいくつか書きたいと思います。

 (以下、50歳以上のねんきん定期便の見本です)

 

 

 まずは、1ページ目左側の『これまでの保険料納付額』という欄。

 国民年金と厚生年金、それぞれについて、今まで支払った保険納付額の累計が買いてあるのですが、厚生年金については、書いてある金額は、<ウソ>ですね。

 というのも、厚生年金の保険料は、会社と折半で支払っているため、会社が自分のために支払っている分も含めると、書いてある金額は本当は倍になります。

 日本年金機構としては、会社が支払った保険料は、私が払ったものではないと言いたいのでしょうが、本来私たちが給料として受け取れたものが、会社から直接国に支払われているだけですから、その詭弁は通用しません。

 支払った金額に対して、受け取れる金額があまりにも少ないことをごまかすために、こういった書き方にしているのですね。

 次に、皆さん一番気になる『老齢年金の見込み額』ですが、はっきり言って少ないです。

 私は平均的なサラリーマンより、少し高めの保険料を納めてきたと思いますが、それでも60歳まで同じ保険料を更に払い続けても、受け取れる老齢年金は年間200万円台です。

 ちなみに、令和4年度の厚生労働省の資料によれば、厚生年金(1号)の平均年金月額は、143,973円で、年間にすると、1,727,676円です。

 同じ調査で国民年金の平均年金月額は、56,316円となっており、年間にすると675,792円です。

 現在の典型的な高齢夫婦は、夫が厚生年金、妻が国民年金のみといった方が多いですから、夫婦で受け取れる年金は、毎月だいたい20万円くらいでしょうか。

 総務省統計局の家計調査(令和5年度)によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯で、平均的な毎月の生活費が平均25万円ですから、約5万円不足することになります。

 以下、同じ家計調査の詳細グラフとなりますが、支出のおよそ半分近くを占める食料、住居、水道光熱費などが、昨今の物価高でどんどん値上がりすることを考えると、不足分はますます増えそうです。

 

 

 同じく、ねんきん定期便の受取り見込み額を見ると、本来65歳からの支給開始を70歳まで遅らせた場合の42%増の受取金額、75歳まで遅らせた場合の最大84%増の受取金額が大きく書かれています。

 つまり、生活費を賄える、それなりの金額を受け取りたかったら、支給開始年齢を遅らせて欲しいと言っているのですね。

 今後、少子高齢化でますます労働力不足になる日本では、一人でも多くの高齢者に、65歳以降もなるべく長く働いて欲しいのが国の本音です。

 そのために、65歳から受け取れる年金額の少なさを改めて認識させて、その方向に国民を誘導するのが、ねんきん定期便の通知目的だと思われます。

 私は短い人生をなるべくお金にジャマされずに、自由に生きたいので、数年前から全世界株式(オルカン)などへの海外投資を行い、現在のところ、順調にいっています。

 今回のねんきん定期便を見て、改めて海外投資をしていて良かったとつくづく思いました。

 このブログの読者の皆さんにも、ますます先細る年金に頼らず、自助努力で資産運用されることで、老後の自由な時間を手に入れていただきたいと思います。

ねんきん定期便は、50歳未満と50歳以上では書かれている内容が異なりますので、ご注意ください。

 

*(以下、参考記事)

24年1月17日 『国民年金の憂鬱』

https://fpjinwanofisu.webnode.jp/l/%e5%9b%bd%e6%b0%91%e5%b9%b4%e9%87%91%e3%81%ae/

24年1月18日 『厚生年金のワナ』

https://fpjinwanofisu.webnode.jp/l/%E5%8E%9A%E7%94%9F%E5%B9%B4%E9%87%91%E3%81%AE%E3%83%AF%E3%83%8A/

日本円で投資判断するリスク

 こんにちわ。FPの金蔵(きんぞう)です。

 前回のブログ*で、日本円でモノやサービスの価値を正確にはかることはできなくなってきているのではという記事を書きました。

 本日は、日本円で海外への投資判断するリスクはないのかという視点でもう少し深掘りしてみたいと思います。

 まずは、米国の代表的な株価指数であるS&P500の過去5年間の値動きをドルベースでチェックすると、以下のグラフとなります。

 

 

 2020年のコロナショックでの急落やインフレ抑制のための急激な利上げで不調だった2022年を経て、現在は過去最高値を更新しています。

 次に全く同じS&P500の値動きを日本円ベースで見てみると、以下のグラフとなります。

 

 

 右肩上がりという点ではほぼ同じですが、2022年の株価の低迷期が円安で打ち消されてしまっているのと、2023年以降の株価の上昇幅が円安でかなり<増幅>されています。

 つまり、S&P500への投資は、米国にいる投資家以上に、日本にいる投資家にとってより魅力的に見えている可能性がありますね。

 今や大人気となった、eMAXIS Slim 米国株S&P500 (三菱UFJアセット )の純資産が4兆円の規模にも達し、日本の投資信託の中で断トツ1位になっているのも納得できます。

 ちなみに、同じS&P500の値動きをユーロベースで見てみると、以下のグラフとなります。

 

 

 日本円で見たグラフよりも、オリジナルのドルベースの値動きにより近いものになっています。

 

 さらに、お隣韓国のウオンベースで、同じS&P500の動きをみると、以下のグラフとなります。

 

 

 日本円ベースのグラフと比べて、明らかに2023年以降の上昇率がそれほどではないのが分かります。

 さらに、過去5年間のS&P500の上昇率を、ドル、日本円、ユーロ、ウオンの4つの通貨で比較した場合、 以下の通りです。

・ドルベース 1.85倍 

・日本円ベース 2.55倍 

・ユーロベース 1.76倍 

・ウオンベース 1.75倍

 全く同じS&P500の値動きにも関わらず、明らかに日本円での評価だけが<過剰>になっています。

 この原因は、世界の中で日本円の通貨としての価値がどんどん下落しているからに他なりません。

 最近よくネット上で、日本円ベースで海外資産が爆上げしていることを自慢されている方を見かけますが、ドルベース見直したらどうなるのでしょうか?

 上記の通り、もはや日本円では正確に海外の投資対象の価値をはかることはできません。

 今後日本から海外投資を行っていく場合、世界で最弱となった日本円ベースで相場の推移を見ていると、真の姿が見えず、大きく投資判断を誤る可能性が大きくなります。

 日本の投資信託を通じて、海外投資を行っている方は、円ベースでの評価額に加えて、オリジナルのドルベースでの価格推移にも十分注意するようおススメいたします。

 *24年3月27日『日本円では価値がはかれない?』

https://fpjinwanofisu.webnode.jp/l/%e5%86%86%e3%81%a7%e3%81%af%e4%be%a1%e5%80%a4%e3%81%af%e3%81%af%e3%81%8b%e3%82%8c%e3%81%aa%e3%81%84%ef%bc%9f

日本円では価値をはかれない?

 こんにちわ。FPの金蔵(きんぞう)です。

 突然ですが、お金の重要な役割の一つに、<価値の尺度>というものがあります。

 例えば、スーパーでオレンジジュース一本が150円、350㎖のビール1本が300円で売られていれば、ビール1本は、オレンジジュース2本分の価値があると、誰でも簡単に分かります。 

 また、同じビール1本でも、昨日は300円で売られていたものが、今日360円になっていたら、2割も値上げされたとすぐに知ることができますね。

 このように、お金を通じて、モノやサービスの価値をはかることができるため、人は世の中に存在するモノに何でも値段をつけることで、その価値を知ろうとします。

 ただし、もしその価値をはかるために基準となるお金の価値そのものが変化しているとしたら、どうでしょうか?

 

 昨今、日経平均がついに4万円を超えたとか、春闘で賃上げ率が5%になったとか、日本円を基準にして、景気のいいニュースが飛び交っていますが、その本質的な価値は変化しておらず、<価値の尺度>となる日本円の価値だけが下がっている可能性はないでしょうか?

 つまり、ある時点で1本150円だったりんごジュースが、日本円の価値が半分に下がったために、値段が300円になった場合、それは価値が増加したのではありません。

 単に値札の張り替え作業が行われただけです。

 私がこういった問題意識を持ったのは、米国債券など、昨今の株高とはあまり関係ない金融商品に一部投資しているからです。

 例えば、米国ETF(上場投資信託)である、iシェアーズ・コア 米国総合債券市場 ETF(ティッカー:AGG)の過去1年間の値動き(ドルベース)は以下の通りとなっています。

 

 

 ご覧の通り、昨今の株高とはほぼ無関係に、95ドル前後で横ばいで推移しています。

 しかし、これを東証に上場している、日本円ベースのiシェアーズ 米国総合債券 ETF(ティッカー:2256)で見てみると、以下の通り、全く違った動きになります。 

 

 昨今の円安の影響を受けて、円ベースでの価格は過去1年間で5%近くも上昇していますが、これを<価値の増加>と呼んでもいいのでしょうか?

 むしろ先ほどのりんごジュースの例の通り、単なる値札の張り替え作業ではないでしょうか。

 日本の株式、地価、賃金などは一般的にドルベースでの価値判断がされていないため、こういった分かりやすい比較はできませんが、もしドル表示をすれば、ニュースで騒がれているような大幅な上昇とはほど遠いはずです。

 成功する投資とは、長期間に渡って、本質的な価値が徐々に増加していくものを購入し、じっくり長期保有していくのがセオリーです。

 表示する通貨によって、見せかけの上昇が<演出>されるものに投資すべきではありません。

 

 私が米国ETF(上場投資信託) で、ドル建てのオルカンなどを購入するのも、円建ての日本のオルカン投資信託では分かりづらい価値の変化を見逃さないためです。

 今後、株式や貴金属、地価の上昇など、景気のいいニュースを見られた際は、それが本当の価値の増加なのか、単なる値札の張り替え作業なのか、一度立ち止まって考えてみることをおススメします。

【新NISA】やっぱり嬉しい配当金♪

 こんにちわ。FPの金蔵(きんぞう)です。

 今月21日付で、SBI証券の口座に米国ETF(上場投資信託)から配当金の入金がありました。

 

 銘柄は、VT(バンガード・トータル・ワールド・ストック)とVYM(企業概要バンガード・ハイディビデンド・イールド)の二つです。

 私は、家族4人の名義で、新旧NISAやジュニアNISAなど、非課税投資枠を目一杯使って積立投資していますが、今回はトータルで200ドルほどの入金となります。

 この物価高の世の中で、四半期に一度とは言え、3万円ほどのお金がもらえるのはやっぱり嬉しいですね。

 このブログでは、新NISAを使って、少額から気軽に始めやすい、全世界株式(オルカン)や米国株式のインデックス投信をおススメしていますが、個人的には米国ETFが大好きです。

 大きな理由としては、やはりこのドルでもらえる配当金でしょうか。

 日本の投資信託でも、分配金ありを選択すれば、日本円で配当金をもらえますが、基本的に資産を円で持っておきたくないので、ドルの方がありがたいです。

 

 ちなみに、その他米国ETFを含め、過去の3年間の配当金の履歴は以下のグラフになります。

 

 

 おかげさまで、ほぼキレイな右肩上がりのチャートになっており、コツコツと積立投資を継続していくことの効果をしっかり実感できています。

 尚、理論的には、配当金を受け取るより、そのまま配当金を自動で再投資した方が、その都度余計な税金を払わなくてもよい上に、再投資の手間も省けるので、投資効率は高くなります。

 ただし、相場が長期低迷期に入り、投資に対するモチベーションが大きく下がった時に、積立投資を続けていくインセンティブになるのは、やっぱり配当金です。

 キャピタルゲイン(売買差益)に比べて、ETFインカムゲイン(配当金)はある程度安定して積みあがっていきますから、誰でも続けやすいのです。

 また、現役引退後、毎月の給与所得がなくなった時に、定期的に入金される配当金は頼りになります。

 どんどん減っていくのが確実な日本の年金ですから、それを補完する意味でも、これからも配当がもらえる米国ETFに積立投資していこうと思っています。

  購入金額が増えるにしたがって、配当金が増加することはもちろん、VYMであれば、過去5年間、年平均5%以上で増配してくれますので、ダブル効果で配当金が増えていきます。

  

 現在、全世界株式や米国株式のインデックス投信を、クレカ積立している皆さんも、一部資金を、VYMなどの米国ETFに回してみてもいいかもしれません。

 尚、新NISAでは、年間240万円の成長投資枠でしか、米国ETFは購入できませんのでご注意ください。

 

*(以下、参考記事)

24年2月15日 『【新NISA】死ぬまで売らないVYM』

https://fpjinwanofisu.webnode.jp/l/%e3%80%90%e6%96%b0nisa%e3%80%91%e6%ad%bb%e3%81%ac%e3%81%be%e3%81%a7%e5%a3%b2%e3%82%89%e3%81%aa%e3%81%84vym/