FP三宅金蔵のお金の学校

お金にジャマされない人生を

ねんきん定期便を見て思うこと

 こんにちわ。FPの金蔵(きんぞう)です。

 年に一度のねんきん定期便(電子版)が手元に届きました。

 本日はねんきん定期便を見て、個人的に思うことをいくつか書きたいと思います。

 (以下、50歳以上のねんきん定期便の見本です)

 

 

 まずは、1ページ目左側の『これまでの保険料納付額』という欄。

 国民年金と厚生年金、それぞれについて、今まで支払った保険納付額の累計が買いてあるのですが、厚生年金については、書いてある金額は、<ウソ>ですね。

 というのも、厚生年金の保険料は、会社と折半で支払っているため、会社が自分のために支払っている分も含めると、書いてある金額は本当は倍になります。

 日本年金機構としては、会社が支払った保険料は、私が払ったものではないと言いたいのでしょうが、本来私たちが給料として受け取れたものが、会社から直接国に支払われているだけですから、その詭弁は通用しません。

 支払った金額に対して、受け取れる金額があまりにも少ないことをごまかすために、こういった書き方にしているのですね。

 次に、皆さん一番気になる『老齢年金の見込み額』ですが、はっきり言って少ないです。

 私は平均的なサラリーマンより、少し高めの保険料を納めてきたと思いますが、それでも60歳まで同じ保険料を更に払い続けても、受け取れる老齢年金は年間200万円台です。

 ちなみに、令和4年度の厚生労働省の資料によれば、厚生年金(1号)の平均年金月額は、143,973円で、年間にすると、1,727,676円です。

 同じ調査で国民年金の平均年金月額は、56,316円となっており、年間にすると675,792円です。

 現在の典型的な高齢夫婦は、夫が厚生年金、妻が国民年金のみといった方が多いですから、夫婦で受け取れる年金は、毎月だいたい20万円くらいでしょうか。

 総務省統計局の家計調査(令和5年度)によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯で、平均的な毎月の生活費が平均25万円ですから、約5万円不足することになります。

 以下、同じ家計調査の詳細グラフとなりますが、支出のおよそ半分近くを占める食料、住居、水道光熱費などが、昨今の物価高でどんどん値上がりすることを考えると、不足分はますます増えそうです。

 

 

 同じく、ねんきん定期便の受取り見込み額を見ると、本来65歳からの支給開始を70歳まで遅らせた場合の42%増の受取金額、75歳まで遅らせた場合の最大84%増の受取金額が大きく書かれています。

 つまり、生活費を賄える、それなりの金額を受け取りたかったら、支給開始年齢を遅らせて欲しいと言っているのですね。

 今後、少子高齢化でますます労働力不足になる日本では、一人でも多くの高齢者に、65歳以降もなるべく長く働いて欲しいのが国の本音です。

 そのために、65歳から受け取れる年金額の少なさを改めて認識させて、その方向に国民を誘導するのが、ねんきん定期便の通知目的だと思われます。

 私は短い人生をなるべくお金にジャマされずに、自由に生きたいので、数年前から全世界株式(オルカン)などへの海外投資を行い、現在のところ、順調にいっています。

 今回のねんきん定期便を見て、改めて海外投資をしていて良かったとつくづく思いました。

 このブログの読者の皆さんにも、ますます先細る年金に頼らず、自助努力で資産運用されることで、老後の自由な時間を手に入れていただきたいと思います。

ねんきん定期便は、50歳未満と50歳以上では書かれている内容が異なりますので、ご注意ください。

 

*(以下、参考記事)

24年1月17日 『国民年金の憂鬱』

https://fpjinwanofisu.webnode.jp/l/%e5%9b%bd%e6%b0%91%e5%b9%b4%e9%87%91%e3%81%ae/

24年1月18日 『厚生年金のワナ』

https://fpjinwanofisu.webnode.jp/l/%E5%8E%9A%E7%94%9F%E5%B9%B4%E9%87%91%E3%81%AE%E3%83%AF%E3%83%8A/