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【社会保険】FIRE封じの制度変更?

 こんにちは。FPの金蔵(きんぞう)です。

 今朝の新聞に、『社会保険料に株の配当などの金融所得を反映 厚労省が検討本格化(朝日新聞)』という衝撃的なニュースがありました。

 今まで源泉徴収を選択して、確定申告しなかった金融所得(配当、利子)については、健康保険や介護保険などの社会保険料の算定の対象に含めていませんでしたが、今後含める方向で検討を開始したとのこと。

 もしこの制度変更が実現すると、真っ先に影響を受けるのは、株式などから多額の配当金を得えながら、源泉徴収の選択で確定申告していない、後期高齢者医療保険国民健康保険に加入している高齢者でしょう。

 今まで算定対象でなかった金融所得が社会保険料の算定対象に含まれると、

 ・健康保険料や介護保険料の大幅アップ

 ・窓口負担の増加(1割⇒2割、3割)

 といったマイナスの影響が考えられます。

 今まで優遇されてきた高齢者の負担増については、特に異論はないのですが、今回の改正は、今後配当収入を得て、FIREを目指す現役世代にも大きな影響があると思われます。

 具体的には、年間数百万円程度の配当収入を実現して、FIREを目指す会社員の場合、退職後、会社の健康保険を脱退して、自分で国民健康保険に加入しなければいけません。

 その保険料を算定する際、今までなら配当所得は源泉徴収で申告不要を選択している限り、算定基礎の所得金額に含まれなかったのですが、今後は含められる可能性が高いです。

 今までなら、退職後の所得が低い為、軽減措置等で安く済んでいた国民健康保険料も、大幅にアップするかもしれません。

 ご参考までに、私が住んでいる大阪府にある大阪市国民健康保険料の計算式は、以下の通りです。

 実際に今回の改正が実現すると、以下<所得割>の算定基礎所得金額が人によっては、大幅に増える可能性があります。

 

 

 会社が保険料を半分負担してくれたり、扶養分の保険料がかからない会社員の健康保険に比べて、全額自己負担の国民健康保険料はただでさえ高くなりがちなのですが、それが更に高くなるかもしれません。 

 将来的に株の配当収入等でFIREを検討されている方は、こういった将来の負担増にくれぐれもご注意ください。

 ※今回の制度変更の対象は、証券会社の特定口座(源泉徴収あり)を開設し、申告不要で配当所得を得ている方で、かつ後期高齢者医療制度国民健康保険に加入している方です。

 会社員で健康保険に加入しながら、申告不要を選択している方は対象外ですので、ご安心ください。