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【確定拠出年金】手数料が下がります!

 こんにちわ。FPの金蔵(きんぞう)です。

 私はサラリーマンの副業として、FPの仕事をしている関係から、会社の企業型確定拠出年金(企業型DC)にも加入しています。

 その企業型DCのサイトを昨日覗いたら、外国株式のインデックス投信の手数料が今月末に、0.1%半ばから、0.1%以下に引き下げられるとのお知らせがありました。

 企業型DCには、もう20年近く加入しており、トータル1千万円以上の金額を日々運用しているので、手数料の引き下げは助かります。

 私が加入する企業型DCは、会社が契約する大手信託銀行が運営管理機関として、運用商品の選定などを行っており、多くの商品はその銀行系例の運用会社が提供するものでした。

 数十以上の商品から自由に選べる個人型確定拠出年金(イデコ)と比べて、圧倒的に選択肢が少なく、手数料も高いので、前々からかなり不満を持っていました。

 新NISAを見据え、昨年から始まった手数料の引き下げ競争の余波がようやく企業型DCにも及んだ形です。

 もともと企業型DCは会社が一括して、特定の運営管理機関と契約するので、イデコのように従業員個人に選択権はありません。

 契約先の運営管理機関が提供する商品のラインナップが乏しく、手数料の高い商品ばかりでも、それを受け入れるしかないのが現状です。

 従業員にとって、メリットがある運営管理機関が選ばれない理由としては、会社の中で年金を担当するのは主に人事部門で、資産運用のノウハウが乏しいため、金融機関の言いなりになっているからです。

 そうなる背景として、日本では長年、確定給付企業年金(DB)という、会社が外部に委託して年金を運用、従業員にはあらかじめ約束した利率で退職金を支払う制度だったため、会社内で資産運用できる人材がいません。

 一部大手企業のDBでは、年金基金という別法人が設立され、巨額の年金資産の運用行っていましたが、だいたいトップは人事部門OBの指定席となっており、資産運用についてはほぼ素人でした。

 まあ、銀行預金に慣れ親しんだ世代なので、仕方のないことかもしれませんが。

 いずれにせよ、今後新NISAで目の肥えた個人投資家が増えてくれば、企業型DCとは言え、従業員から商品ラインナップや手数料に対して要望がどんどん出てくるはずです。

 また、企業型DCは転職時も持ち運べるため(=ポータビリティ)、中途採用の面接で、「そちらの会社の企業型DCでは、どのような商品が選べますか?」といった質問が出てくるかもしれません。

 人事部門も、今までの様になあなあで特定の金融機関とお付き合いだけしていればいいという時代ではなくなってくるはずです。

 今年から始まった新NISAを皮切りに、日本の個人投資家のレベルがどんどん底上げされ、企業型DCを含め、商品ラインナップが充実し、手数料の高い金融商品が淘汰されていくことを期待しています。