FP三宅金蔵のお金の学校

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【新NISA】日本株を買わない理由

 こんにちわ。FPの金蔵(きんぞう)です。

 私は、全世界株式の一部を除いて、日本株へは一切投資していません。

 その理由は、ズバリ、株主が大切にされていないと感じるからです。

 

 数年前に、母親に頼まれて、日本の某大手私鉄数社の株式をそれぞれ100株だけ購入しました。

 しばらく保有して、配当のお知らせが来てびっくり、なんと配当金の金額が全く同じ会社が複数ありました。

 米国株しか投資していなかった自分には、よく理解できなかったのですが、要は業界横並びで、株主には最低限の配当さえ出しておけばよいといったスタンスなんでしょうか。

 

 株主の力が非常に強いアメリカでは、どの経営者でも1円でも多く配当を出すことに必死です。

 配当金を減らす減配などはもってのほか、数十年単位で、毎年連続して配当金を増やしていく(=連続増配)の会社が数多く存在します。

 また、余剰の利益があれば、市場に出回る自社株を買い戻して(=自社株買い)、株価を上げることで、株主に報いることがあるべき姿だと思われています。

 余った利益を内部にため込む(=内部留保)日本の会社とは正反対のスタンスですね。

 

 ですから、同じ業界内とは言え、配当が全く同じになるなんてことは絶対ありえません。

 配当金の額が、経営者自身の評価につながるのですから、他社と全く同じ配当金しか出せないのであれば、間違いなく経営者失格です。

 

 ちなみに、先日会った友人は、もともと連続増配で有名な某米国企業の日本法人で働いていたのですが、日本法人の業績が大幅に下振れする見込みが出た途端、すぐに大規模なリストラを行ったそうです。

 彼曰く、「とにかくうちの親会社の株主へのコミットメントはすごい。どんな手を使っても、株主への配当を守って増やそうとする」とのこと。

 株主重視の姿勢が徹底的に貫かれているんですね。

 

 もし、あなたが大事な貯金を投資するとしたら、どちらの会社に投資しますか?

 日本で働くものとして、雇用を守る日本型経営には正面切って異議を唱えづらいですが、資産運用という観点からは、間違いなくアメリカの会社に投資します。

 

  更に、日本で働いて、日本円で給料を受け取り、年を取ったら、日本円で年金を受け取る身としては、リスク分散の観点からも、日本円以外の資産に投資しておく方がいいでしょう。

 あくまでも、日本の一つの業界内の話ですが、そういった会社が堂々と東証プライム市場に上場しているのを見ると、日本株にはあまり期待しない方が良いのではと思ってしまいます。