FP三宅金蔵のお金の学校

お金にジャマされない人生を

【資産防衛】財布のお金が溶けています

 こんにちわ。FPの金蔵(きんぞう)です。

 先日、日銀の植田総裁が国会で、日本がインフレ状態にあることをついに認めました。

 インフレ=モノの値段が上がることで、同じお金で買えるモノの量が減っていくワケですから、皆さんの財布に入っているお金の価値はどんどん減って、溶けています。

 銀行に預けているお金も、溶ける以上の利息がついているのであれば、減りませんが、日銀が金融緩和で超低金利を続けている以上、どんどん溶けています。

 もちろん、電子マネーも例外ではありません。

 

 フツウ、お金が溶けてなくなることはイヤなものですが、なぜか喜ぶ人もいます。

 それは、ズバリ、借金をしている人です。

 借りているお金もどんどん溶けてなくなっていくワケですから、嬉しくてたまりません。

 では、日本で一番インフレを喜んでいるのは誰か?

 それは日本で一番借金をしている人=国に他なりません。

 1200兆円にも及ぶ債務が何もしなくてもどんどん減っていくワケですから、インフレ抑制のための利上げにも当然及び腰です。

 逆に苦しむ人は誰か?

 それは、我々一般国民です。

 物価高に給与増が追いつかない中、昨年23年は実質賃金が2.5%減りました。

 日本の給与所得者はインフレが進む中、どんどん貧しくなっています。

 また、銀行や家のタンスに巨額のお金をため込んでいる高齢者も、お金の実質的な価値が目減りして、貧しくなっています。

 こういった状況が、インフレが隠れた税金=インフレ税と言われるゆえんですね。

 今の政府は、スネに無数の傷があるので、正面切って国民に増税を打ちだせません。

 一方、少子高齢化で、社会保障費の増大や少子化対策の費用の捻出で、増税は本来避けて通れません。

 そこで、消費税など、国民に分かりやすい増税ではなく、一見分かりづらい、社会保険料の値上げやインフレ税など、隠れた増税でしのごうとしているのですね。

 昨今のインフレ進行に伴って、非常にゆっくりですが、すこしづつ財布のお金は溶けていっています。

 たいした貯金もないフツウの庶民はその事態に気づきづらいですが、何十億もの巨額の資産があるお金持ちは、溶けていく量も半端ないですから、気が気でありません。

 一般的なインフレ対策としては、資産を目減りする現預金ではなく、インフレに強い株式や不動産に変えることが有効だと言われています。

 そういう流れで考えると、昨今の日本の株価高騰、東京23区ののマンション平均価格1億円超えといったニュースも、その背景がよく分かりますね。

 あまり、ニュースになっていませんが、ビットコインなどの仮想通貨も円ベースで最高値を更新しています。

 フツウの一般庶民が事態の深刻さに気付いたときは、財布のお金は溶けてなくなっていて、既に手遅れになっているのかもしれません。

 世の中の動きにアンテナを張って、ニュースの表面的な解釈を鵜呑みにすることなく、<自分の頭>で考えることが、自分の資産を守っていくためにますます大切になっています。