FP三宅金蔵のお金の学校

お金にジャマされない人生を

捨てる神あれば拾う神あり

 こんにちわ。FPの金蔵(きんぞう)です。

 昨年から大きな話題になっていたビックモーターが、伊藤忠商事に救済されることが発表されました。

 同業大手もあきらめた<火中の栗>を敢えて拾った伊藤忠の決断はスゴイですね。

 過去に仕事で事業再編に携わっていたので、よく分かるのですが、この手の買収は、いくら数字を調べて詰めていっても、最後はある程度不確定な要素を残したまま、思い切って決断しなくてはいけないことが多いです。

 今回の様に、世間の注目を大きく集めた案件なら、なおさらそうで、社内の反対も大きかったはずです。

 それでも、敢えて救済に踏み切ったのは、おそらく中古車業界トップの事業基盤を<格安で>手に入れられることができ、うまく再生できれば、大きな利益を手に入れられるからでしょう。

 昨年亡くなった株好きの父が好きだった投資の格言に、「人の行く裏に道あり、花の山」というものがあります。

 誰も行かないような裏道を選んで進んでいくと、大きな花の山に巡り合える、つまり、大きな利益を上げるためには、勇気を出して人とは違うことをする必要があるという意味です。

 この格言の意味を実感したのは、2020年のコロナショックの時でした。

 未知のウイルスの世界的蔓延で、株式市場がパニックになっている時、敢えて買い向かうことで、短期間で大きな利益を上げることができました。

 どこまで下げるか不安な部分も多々あったのですが、パニックの原因がはっきりしており、遅かれ早かれワクチンができれば終息すると見込みが持てたことが大きかったです。

 今回のビックモーターの件でも、一連の事件の原因が経営陣の暴走にあることは明らかで、会社分割による別会社化で、旧経営陣を会社から完全に切り離せれば、再生は十分可能と考えたのでしょう。

 買収後の消費者離れが一番怖いところではありますが、そういった意味で今回の買収の発表のタイミングが絶妙ですね。

 マスコミ各社がアメリカ大統領選で一色になる中、大きく一面に取り上げられない日を慎重に選んで発表しています。

 その内、いつの間にか、あの青い大きな看板が撤去されて、違う色の看板が設置されるのでしょうか。

 大多数の消費者はいちいち細かいニュースをチェックしませんから、元々同じ会社であったことを知らずに、同じ敷地にある新会社の店舗に足を運ぶのでしょう。

 現在、株価も金も仮想通貨も最高値を更新しており、バブルの様相を呈しています。

 こういった時に世の中の流れに乗って、相場に参加するのは簡単ですね。

 問題は、いずれバブルがはじけて暴落した時、勇気を出して市場に留まれるかということです。

 

 株式投資の利益は投資した期間の長さに比例して大きくなります。

 私は、二匹目のドジョウは狙わずに、今後も相場の上げ下げに関係なく、毎月一定額を淡々と積立投資していこうと思います。